#1.近況について
引き続き、企業ブランドのマーケティング、広告、ブランディングなどをご支援しています。
また、広告代理店としての機能も合わせ持つ弊社は、「AIと広告代理店」についても深く考えるきっかけになっています。
#2.「AIと広告代理店」
私の所感としては、下記です。
「人がAIを使う」ではなく「AIが広告代理店の一部になる」という時代に入ってきた印象です。
地上波をはじめ、テレビはしばらく時間がかかることと思いますが、デジタルを中心としたメディアプランニング、出稿最適化、クリエイティブ制作、効果測定、レポーティングなどは本格的にAIエージェントが機能しはじめています。
ただし、顧客や生活者の文脈を抽象化する力、多層的な文脈理解、ブランド解釈、文化的な感性においては現時点では人間に軍配があり、最終的なブランドエクイティに資する意思決定を代替するまではもう少しかかりそうな印象です。
とはいえ、AIは単一的なファンクションではなく、業務プロセスの基盤としてワークフローに組み込まれており、今後、価値の再定義と分配がさらに進んでいくと考えています。
#3.起業してからの心境の変化について
AI化はさておき、最近多くのブランド様のご支援を重ねる中で、事業としての心境の変化が生まれています。
それは、他社のビジョンを実現する「支援者」から、自らのビジョンを具現化する「当事者」へシフトしたことです。
【これまで…】
自身のキャリアにおいては、コンサルティング、マーケティング、広告、プロモーション、PRなどクライアントのビジネス、ブランドの成長に根差した支援を行ってきました。
しかし、本当に実現したい世界、社会を自身で再定義し、それを事業として形にすることを改めて見つめ直した時、
支援会社ではなく、事業会社として自らそのブランドを定義し、開発し、提供していくことが最も最善の方法であると考えました。
【実現したい社会と世界】
私が事業、プロダクトを通して、実現したい社会と世界は、「ありのままの美しさを表現できる世界をつくる」ということです。
新しい挑戦を応援する、一歩を踏み出すことの大切さ、自己肯定感を高めてくれるetc…
支援側ではなく、自分が本気で創りたい世界を、当事者として描ききることを決断しました。
もちろん前提として、
・テクノロジーを活用すること
・ブランドと顧客体験を通して、消費者に新しい出会い、活力、挑戦の後押しをすることを揺るがないテーマにしています。
AI、LLM、を中心としたテクノロジーの進化により、人々の働き方、仕事のあり方も大きく再定義されることになっていきます。
そのような環境の中でも、人間が持つ「潜在能力」は計り知れないパワーを秘めています。
と同時に、「人間がもたらす価値、その源泉は何であるか?」という問いを持つことになる時代だと考えています。
そんな時代だからこそ、人間としての揺るぎない価値(多層的な文脈理解、感性、創造性)を中心に据えながら、ブランドを通して、自己肯定感、新たな挑戦、心から楽しめるひととき、そんな人間らしさを感じることができるブランド体験を作りたいと思っていますし、そのブランドを通して、消費者の出会い、挑戦、決断を後押しできるブランドでありたいと考えています。
私は、テックドリブンを起点としながらも、ブランドに思想と美しさと力強さを宿したいのです。
テクノロジーを活用しつつも、その中心には揺るぎない人間の感性と創造性を置くというアプローチを通じて、解きたい課題にフォーカスしていきます。
#4.AI化と人間が持つ価値
テクノロジーそのものは価値中立的なツールであり、それにどのような思想や美しさ、力強さを宿すかは、人間の側の責任と創造性にかかっています。
テクノロジーを単なる効率化や利便性を求めるツールではなく、人間の価値観や意識を体現する拡張装置として再定義することは、AIの進化が加速するこの時代において、大きな意味を持つことであると考えています。
ビジネスシーンにおいては、「AIをどう使いこなすか?」に目が向きがちですが、私としては、「人間としての揺るぎない価値を、AIにどう付加するか?」について思考する機会が増えました。
人間としての揺るがない価値である多層的な文脈理解、感性、創造性を事業の中心に据えながら、最新のテクノロジーを裏側で駆使する、この一見すると二律背反に見えるようなアプローチこそが、AI時代のブランド構築において持続可能で、共進化するということなのかもしれません。
ということで、今後は事業会社として自らブランドを開発し、お届けできる体制に向けて鋭意、準備を進めております。