Published 27 Oct 2022

「ロスジェネ」当事者による起業論〜40歳からの起業はアリかなしか?〜

「ロスジェネ」当事者による起業論〜40歳からの起業はアリかなしか?〜

起業する前は何を考えていたか

株式会社パンダビジョンという会社の佐野篤です。
僕は、11年半ほど大手芸能事務所の吉本興業で働き、41歳で退職・独立しました。

「大手芸能事務所の経験をもとに」と言えば聞こえはいいですが、資金は乏しく、会社でも決して優れた実績を残していたわけではありません。

僕が退職した2018年ごろは、起業ブームとも言えるような、スタートアップやベンチャー企業への社会的な後押しがあったように思えます。

仕事で時々、ベンチャー企業やスタートアップ企業に勤めている方とお会いすると、なんだか希望に満ち溢れていてとても眩しく感じました。一方、自分は会社の歯車の一部にしか過ぎない。そう思い込んでいました。

独立した同僚が羨ましかった

会社を退職して、先に独立された方の近況を知ると、とても羨ましく感じました。

隣の芝生は青いと言います。例えば、上司から無理難題を言われた。社内でイケてる同僚から馬鹿にされたり…。そんなことはサラリーマンなら多かれ少なかれあることだと思います。しかし、何年も会社員として勤務を続けていれば、合う合わないに関わらず、会社の中でたくさんの方と仕事で接する機会があると、時には会社を続けるモチベーションが下がってくることも実際ありました。

そんな時は、先に独立した方の活躍や、転職して活躍している人が羨ましくなることも多々ありました。

それは、今思い返せば、思考の癖(バイアス)だったっと思います。今、幸せでないのは、会社に所属していることが原因だと感じていたのだと思います。

サラリーマンを辞めて初めて気づくこと

実際、会社を独立してからは、会社員の良さも分かってきたように思います。

弊社は創業して3年半ほど。売り上げは伸びてきているとはいえ、まだまだ不安定です。苦手な会計ソフトと向き合っていると、月によっては預貯金が乏しく不安になることもあります。

一方で、毎月決まった額のお給料(サラリー)がもらえる「サラリーマン」という仕組みはなんて素晴らしいのだろうと思い返しました。大きな失敗をしても、会社はそうそう潰れることはありません。

氷河期世代にとっての「起業」という選択肢

では、本題を始めます。就職氷河期の世代=ロスジェネ世代にとって、起業という選択肢はありなのでしょうか?

僕は「あり」だと考えます。

コロナショックによって、大手企業でも早期退職や配置転換は以前にも増して当たり前になってきています。早期退職は主に45歳以上の人が対象です。僕たちが就職活動の時に「就職人気ランキング」で上位にあったような、大手金融機関、大手航空会社でも、早期退職や配置転換、賃金カットについての報道がなされています。

それなら、会社を続けることはリスクなのでしょうか?

会社に残る道もある

僕は誰もが起業するべき、とは全く思いません。

会社によっては、潤沢な現預金などの資産があったり、コロナ禍においても、経営改善によって売り上げを伸ばしている会社も少なくはありません。冷静に分析して、いわゆるWithコロナ、Afterコロナの時代でも、今の経営スタイルで会社が存続できるか、10年後も存続しているかを見極める必要があります。

もし、そんな会社にいるのであれば、本当に幸運だと思います。サラリーマンとして定年まで働くことは、とても大変ですが、退職までいられる会社にいれるのなら、無理して起業する必要がないといえます。

ほとんどの人がリスクは取らない

起業する前、起業セミナーやワークショップに何度も足を運びました。

そんな中には、大手企業、有名企業の方もたくさんいました。ただ、3年以上経った今でも、ほとんどの方が起業せず今もサラリーマンをしっかりと続けています。それはカッコ悪いことではなく、現実的な選択だと思います。

起業する人はかっこいい。

そんなことはありません。起業は誰でもできます。株式会社なら、数十万円払って所定の手続きをふめば誰でも会社は作れます。

会社員を新卒から定年まで続ける方がよほど難しいです。

40歳というのは人生の折り返し地点です。何か新しいことを始めるにはギリギリの年代かもしれません。

「失敗」と折り合いをつけて生きる

自分の経験上ですが、起業して大変なことも多くあります。でも、最悪の場合でも死にはしません。誰かがギリギリで助けてくれます(多分)。

僕も会社を辞めるまで2年ぐらいは悩んで悩んで、結論が出ずにいました。今思えば、その時間があれば、その分早く起業できたようにも思います。

起業してからは、まさに失敗の連続です。全然うまくいきません。せっかく貯めたお金も減り続けます。でも、失敗から学ぶことで最近になり、ようやく自力で稼ぐためのコツを掴んでいったように思います。

起業とは生き方そのもの、生きるための手段のひとつです。

自らリスクを取ることで人を惹き寄せる

一番大事なのは「人」です。いわゆる、「知っている」「飲みにいったことがある」といった意味での人脈とも違います。

何をするにも人に仕事をお願いすることもあれば、仕事をお願いされることもあります。いい仕事をするためには、信頼できるパートナーやスタッフの存在が必要です。

僕も何度も「人」においては、失敗しています。仕事を頼んでも全然返事がもらえなかったり、手を抜かれたり、独りよがりな不平不満を言われたり...。

最近分かったのですが、自らリスクを取らなければ人は付いてきません。

お金だったり、労力だったり、信用だったり。自分が先頭に立って、頑張る姿を見せれば人は付いてきます。それは、仕事のスキルというよりも「スタンス」「姿勢」です。気持ち次第で誰にでもできることです。

ロスジェネ世代だからこそ、きっと成功する

若い世代の起業家を見て、40歳を超えた自分は焦ったり、嫉妬したりもしたこともあります。でも、彼らも実際には、日々悩んだり、苦しんだりしています。失敗したことは表にさえ出さなければ、成功した起業家としてブランディングすることも可能なのです。

ロスジェネ世代=アラフォー世代には過去を乗り越えてきた経験があります。就職氷河期、リーマンショック、そして今回のコロナショックと、なんだかんだ生き延びてきました。

僕はこれまで4社を渡り歩きました。吉本興業でも出版部門に始まり、広報PRやテレビ制作、デジタルコンテンツ、劇場などさまざまな部署を渡り歩きました。幅広くエンターテインメントを経験したと言えば、聞こえはいいですが、その分専門的なスキルに欠けるとも言えます。

それがずっとコンプレックスでした。でも、40歳を超えても何か一つのことを真剣に1年でも2年でも取り組めば、いつの間にかそれが強みに変わってきます。僕もeスポーツやゲームは素人そのものですが、約1年真剣に取り組んできて、仕事につながることが増えてきました。

無様でも立ち上がれば、それが生き様になる!

無理して粋がることもなく、謙虚に自信を持って自分のやるべきことをやるだけです。起業して1年何とか凌げば、目の前に見えてくる世界が変わってくると思います。

「俺は俺なりに矜持があってさ。それはダウンしても必ず立つってやつ。ダサくても格好悪くてもいいから、必ず立つ、と。無様でも立ち上がれば、無様じゃなくて、それが生き様になる。そんな感じでずっとやってきた」。

氷室京介さんの言葉です。

もし、僕に興味を持った方はぜひ連絡ください。連絡先を知らない人は会社のHPからお問い合わせください。いつでも連絡を待っています。

株式会社パンダビジョンにご興味のある方はお気軽にご連絡ください。


会社名:株式会社パンダビジョン
代表取締役:佐野篤
設立日: 2019年6月3日
所在地:東京都渋谷区代々木
コーポレートサイト:https://panda-vision.co.jp/
お問い合わせ:info@panda-vision.co.jp

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