2023年8月28日(月)、遺伝子細胞製剤のCMO/CDMO事業を行う株式会社サイト-ファクト(以下、CF)は、D3バイオヘルスケアファンド1号投資事業有限責任組合を引受先とする第三者割当増資および金融機関からの融資により総額3億円の資金調達を実施したことを発表した
CFは、遺伝子細胞製剤に特化し、CMO・CDMO事業、品質試験の受託、遺伝子細胞製剤の製造コンサルティングを行っている。同社は、1995年の阪神・淡路大震災の震災復興事業として「神戸医療産業都市構想」が進められ、その中核組織として、公益財団法人神戸医療産業都市推進機構(FBRI)が設立された。
FBRIの組織の一つである細胞療法研究開発センター(RDC)は、遺伝子・細胞治療に使用する細胞製剤の品質規格の研究や、Novartis社の世界初のCAR-T製剤であるキムリア®点滴静注の市販品製造、富士フイルム株式会社の自家間葉系幹細胞製剤の治験製造の委託を受けることで、日本国内における遺伝子細胞製剤に特化したCMO・CDMOのトップランナーを歩んできた。
CFは、今回の第三者割当増資等で調達した資金を用いて、CMO・CDMO事業の国内外での拡大、ウイルスベクター事業への進出などによる事業ポートフォリオの拡充、次世代型製造管理DXを可能にする遺伝子・細胞製剤に特化した統合製造管理システムの開発・販売促進を行い、今後の事業の大幅な拡大の足掛かりにするという。
CF代表取締役の川真田伸氏は以下のように語る。
「当社には、保険収載が可能な商用の遺伝子細胞製剤の製造をわが国で唯一製造供給した実績があります。一方、遺伝子治療や遺伝子細胞製剤製造の原材料に使われる遺伝子製剤を製造する国内企業は1社ありますが、それは治験用製造までであり、商用製造の実績のある企業は他に存在せず、その供給は海外(米国、欧州、中国)の企業に大きく依存している状況です。国内の医薬品供給医療産業基盤の確立のため、このような現状を打破し、遺伝子細胞製剤の製造のみならず、その原材料である遺伝子製剤の製造事業について、当社が培ってきたグローバルなサプライチェーンを利用して2,3年以内に着手したいと考えております。こうした事業構想を進めるにあたって、D3様と共に進んでいけることは大変心強く、既存株主、従業員ともに非常に喜んでおります」