Published 14 Sep 2022

東南アジアのフィンテック企業「Fazz」が、1億ドルの資金調達を実施

東南アジアのフィンテック企業「Fazz」が、1億ドルの資金調達を実施

2022年9月14日、デジタル金融サービスを提供するFazzはシリーズCラウンドとして1億ドルの資金調達を実施したことを発表した。1億ドルのうち7500万ドルは株式、2500ドルは借入による調達だ。

株式による調達にはTiger Global、DST Investment、B Capital、Insignia Ventures Partners、ACE & Companyなどの既存投資家や政府系ファンドのllham Ltd、EDBI、InterVest、Michael Seibel(Y Combinatorのマネージングディレクター)、Hans Tung(GGV Capitalのマネージングパートナー)などが参加した。また、借入はLendableから行った。

今回の資金調達により、東南アジアの零細企業や中小企業から大企業まで、あらゆる規模の企業が簡単に「支払い・貯蓄・与信」ができる財務プラットフォーム「Fazz」のさらなる構築や東南アジアのDXを加速させる。東南アジアの中小企業にとって、テクノロジーツールや銀行融資へのアクセス不足は重要な課題であり、資金ギャップは現在3000億ドルに達すると言われている。

Fazzのプロダクトは、インドネシアの中小企業向けに、決済・仕入・資本へのアクセスを容易にするエージェントベースの金融アプリケーション「Fazz Agen」と、成長中のスタートアップや中小企業、大企業が、東南アジア各地での支払い、資本の拡大、資金調達を行うためのビジネスアカウント「Fazz Business」、中小企業向けピアツーピア貸借サービス「Modal Rakyat」、デジタル資産向け決済インフラ「StraitsX」で構成されている。

また、今回の資金調達は、過去1年間の年100億ドルの取引高というFazzの最近の実績に基づくもので、Fazzは今後12ヶ月で取引高を倍増させるとともに、シンガポール、インドネシア、マレーシア、ベトナム、台湾のチームを800人以上から1,400人にまで拡大することを目指している。FazzのCEOであるHendra Kwik氏は今回の資金調達にあたり、以下のように述べている。

「東南アジアの多くの企業はまだサービスが行き届いておらず、中にはパンデミックの影響を大きく受けた企業もあります。Fazzは、そのような企業の復興を支援し、より強く成長できるようにするために立ち上がりました。家族経営のような小さな店から大企業まで、どんなビジネスでも金融ツールを利用してビジネスを構築できるように、私たちはビジネスの技術的な部分に多くの投資をしてきました。特に、大企業と同じベネフィットを中小企業やワルン(warung)のオーナーにも提供したいと考えています。今回の資金調達によって、私たちはユーザーのための技術を構築することができます」

また、今回の資金調達ラウンドに参加したTiger GlobalのパートナーAlex Cook氏は以下のように語る。

「Fazzは東南アジアの企業に重要な金融ツールを提供しています。多くの企業にとってデジタル決済や財務機能、成長資金へのアクセスは容易ではありません。Fazzのプラットフォームは中小企業から大企業まで幅広く採用されており、今後もFazzチームとのパートナーシップを継続していきたいと考えています」