2022年10月19日、世界的に俳優・コメディアンとして活躍し、投資家としても活躍するケビン・ハート氏がHartbeat VenturesとしてJPモルガンから資金調達を行ったことを、現在サンフランシスコで開催されているTechCrunch Disruptにて発表した。この資金調達は、Hartbeat Venturesの初の機関投資家からの出資となる。
Hartbeat Venturesは、主にライフスタイル、メディア、テクノロジーなどをターゲットとしたアーリーステージのVCであり、インクルージョン、特にファイナンシャル・インクルージョン(金融包摂)にフォーカスしている。今回発表された新たなファンドの一部は、マイノリティや社会的に過小評価されている創業者の支援に充てられる予定だ。
JPモルガンのデジタル投資銀行およびデジタルプライベートマーケット担当のマイケル・エランジャンMichael Elanjian氏は、この出資について以下のように語る。
「この投資は、多様性のあるVCや女性が主導するVCに投資する当社のイニシアチブ『Project Spark』を通じて、行った最大の投資です。(中略)Project Spark発足以来この数年で23のファンドに9000万ドルを投じ、それが総額9億ドル以上の資金につながりました。今回JPモルガンがHartbeat Venturesの新たなファンドの最初の投資家となり、ご一緒できることにとても興奮しています。」
Hartbeat Venturesは、すでにスタートアップへの投資を開始しており、電解質飲料ブランド「BrightFox」、アバタープラットフォーム「Ready Player Me」、サステイナブルなボトルウォーターブランド「Path」、マッサージ治療器「Therabody」、サステイナブルなパッケージングブランド「Cleancut」、自動車リースプラットフォーム「Rodo」、ソーシャルフード注文プラットフォーム「Snackpass」などに投資している。
また、TechCrunch Disruptのセッションでは発表されていないが、Hartbeat Venturesは、先日日本で本田圭佑氏により発表された新会社「XPVグループ」によってサポートされることがForbes Japanなどの取材により分かっている。
XPVグループは本田圭佑氏と彼をKSK Angel FundやDreamers Fundで右腕としてサポートする中西武士氏、アメリカの未上場株式のセカンダリーマーケットを運営するForge Globalの創業者Sohail Prasad氏ら3人によって設立された会社であり、「XPV Circle Fund」と呼ばれるセレブリティやユニコーン企業の創業経験者などの著名人が自身の投資ファンドを立ち上げる際のLP出資に特化したファンドを運営する。
XPV Circle FundのLP出資を受けて組成された著名人のファンドは、資金提供以外にも、トップティア案件獲得のためのネットワークや投資オペレーション、投資後のバリューアップなどの支援などをXPVグループから受けることになる。XPV Circle Fundの最初のパートナーとして選ばれたのがケビン・ハート氏とHartbeat Venturesである。
今後XPV Circle FundはHartbeat Venturesのようにセレブリティとパートナーシップを組み、投資を行っていくようだ。