「ジェネリック」というワードを化粧品の世界に落とし込んだ日本初のコスメブランドを展開するジェネリック化粧品株式会社。その圧倒的な「高品質かつ低価格」さは、あの”令和の虎”でも大好評。
日本で唯一のジェネリック化粧品事業がうまれた背景やふんだんに詰められたこだわり、そしてこれから描く社会はいかに?本インタビューで代表の新津氏に伺った。インタビュアーは、エンジェル投資家の福田和博氏が務める。
◾️デパコスレベルの化粧品をよりリーズナブルに。商品開発へのこだわりとお客様の声を反映させたリニューアルも。
【前編】虎も初耳の「ジェネリック化粧品」とは。高品質な化粧品を身近にし世界に広げたい【新津 和也】 [17人目]通販版Tiger Funding
https://youtu.be/R-VuwbYXmyA?si=0exD0w-uoxNsK_iK
【後編】「天才だと思った」まさかの内容に虎が驚愕。高品質な化粧品を身近にし世界に広げたい【新津 和也】 [17人目]通販版Tiger Funding
https://youtu.be/y3BbYfAHESY?si=uh6UCzgiZXHPVlgi
福田: 令和の虎も拝見しましたが、名だたる社長陣を唸らせる様子は圧巻でした。改めまして御社の事業概要を紹介してください。
新津: ジェネリック化粧品株式会社では、化粧品の開発製造販売と、OEM製造をやっています。
福田: 特に、デパコスレベルの化粧品をよりリーズナブルにお届けするというところですよね。商品も最近リニューアルされたとのことですが、具体的にどのような点を刷新されたのでしょうか。
新津:
美容成分の配合をさらに高めました。また、容器が使いづらいというお声をいただいていたので改善したり、三点セットのうち美容液だけすぐになくなってしまうという声を多くいただいていたので、美容液の量を増やしたりしました。
福田: お客様の声をしっかり反映しているのですね!しかも今回価格も下げて提供されるとのことで。
新津: はい、これは自社製造だから成し得たことです。また、モールでも商品展開できるように、単品価格を下げることを努力しました。
刷新されより使い易く洗練されたデザインに。
◾️品質・商標・販売方法まで!散りばめられたこだわりと工夫
福田: 商品開発のこだわりも教えてください。
新津: 最重要視しているのは品質です。「高品質かつ低価格な化粧品」ですから。品質の基準を満たした上で、できる限り価格を下げています。これより高い値段にはしないと、原価の基準も設けています。
福田: ご自身も美容業界ご出身だとは思いますが、研究開発体制はどのようにされているのでしょうか。
新津: 都内に研究開発拠点を持っており、日々開発・テストをしています。また本社がある山梨にも知見があるメンバーが集まっていますし、研究所やバイオテックバイオテック系ベンチャーとも連携して研究しています。さらに原料レベルでも仕込んでおりまして、自社独自開発中です。
福田: おお!加えて商標を得ている商品名も、かなり長いことご苦労されたとネット記事で拝見しました。
新津: そうなんです。それなりの労力がかかりましたが、この事業モデルを行うには、「ジェネリック化粧品」の商標がどうしても必要だという強い想いから、最後まで粘りました。現在こうして商品展開できているのも、この名前が鍵になっています。
福田: 広く認知されているジェネリック医薬品になぞらえ、非常にわかりやすいコンセプトですよね。もう一点、令和の虎でも話題になった「初回定価、2回目以降半額」という常識を覆す販売モデルはどういう経緯で思いついたのでしょうか。
新津: もともと、初回が安く2回目以降が高くなる現在のB2Cの定期便モデルに課題を感じていました。初回が非常に安い値段だったため知らない間に高額請求が来てしまう、という消費者の方が多く、消費者庁へ問い合わせるようなトラブルも年々増えています。そうした課題から特に化粧品のサブスクは悪いイメージを持たれる方が多いのが現状です。サブスク自体は良いビジネスモデルなので、本来あるべき姿にしたい。お客さまを第一に考え、どのように解決すべきかを考えた時に、初回を定価にして、2回目以降を半額でお得に使い続けられる方が良いのではないかという考えにいたり、チャレンジしました。今までのサブスクの真逆ですが、これがお客様にも、われわれにも、winwinのかたちだと思います。
福田: なるほど。非常に納得できますし、これからこういうモデルは広がりそうです。この販売方法自体も特許が取れそうですが、そうしたお考えはあったりするのでしょうか?
新津: 「良いものがあるならみんなで盛り上げていきたい」が基本的な考え方です。商標取得もそうです。パッケージだけ寄せてあたかも同じような商品にお客様が嫌な思いをすることがないようにしていきたいです。
福田: そうですね。そういう観点では、ビジネスモデル特許を取得して、ライセンスでこうしたサブスクリプション形態を正しく広めていくことはできるかもしれないですね。
新津: たしかに...! ありがとうございます。調べてみます!
◾️「ジェネリック化粧品」を正しく広めるために
福田: 今回のインタビューをするにあたり、「ジェネリック化粧品」という言葉を調べてみましたが、御社以外の商品もデパコスと見た目は近いが安い、といった「ジェネリック」といった使われ方で取り上げられています。しかし、全ての商品が御社のような高品質な製品にこだわって開発しているとは言い切れません。その中で、「ジェネリック化粧品」という言葉や商品をどのように正しく広めていくのか、考えをお聞かせ下さい。
新津: 我々は「ジェネリック化粧品」で商標をとっている立場でもあるため、高品質なものをできるだけ低価格で提供する、悪質な製品に対して取り締まっていくようなことはゆくゆくしていきたいです。一方、我々だけで正しいジェネリック化粧品を広めることは難しい面もあります。業界のパートナーと一緒に協力できることは協力しながら、弁護士にも相談しながら対応していきたいです。
福田: なるほど、ジェネリック化粧品というものを囲い込まずに、仲間たちできちんと市場を創っていきたいというお考えなのですね!
新津 はい、今回令和の虎のような番組に出させていただいて新規のお客様を一気に伸ばすことができたことは、本当に運が良かったと思います。それまではキャッシュが非常に大事です。例えばIT系スタートアップがエンジニアと共同創業して他の受託を受けてキャッシュポイントを作りつつ事業を創っていくように、我々もOEMによって事業の2軸を創っています。また、今後我々以上の高品質のジェネリック化粧品が開発された時に、その販売という面で協力できることがあると思います。
我々がターゲット、競合としているのは韓国コスメです。韓国コスメが世界のシェアをどんどん伸ばしていく中で、Made in JAPANのチームとしてチャレンジを続けたいです。
福田: そうですね。日本の医薬品の領域でジェネリックが始まった際に、様々なトラブルを乗り越えて広く受け入れられています。化粧品も日本発のトップブランドが多数ありますし、そこに対するジェネリックというのは、世界に挑めるチャンスがたくさんありますね!
◾️山梨への思いと抱くチャンス
新津: 現在供給が追いつかず対応できていませんが、今後ふるさと納税の返礼品としての提供も再度していきたいです。
現在本社は私の地元である山梨県にあります。大好きな土地ですが、東京に隣接する県の中で特に開発が遅れていると思います。近場に追いかけていける背中がない。私はここがチャンスになるのではないかと思っています。今後リニアも開通しますし、都心からのアクセスも良いので、これから山梨を盛り上げていく第一人者になっていきたいと思っています。山梨で資金調達をするロールモデルも創っていきたい、というのが私個人のビジョンです。
福田: 山梨も投資家はなかなかいないですよね。
新津: はい、なので、私がまず先駆者となって、事業で得たキャッシュを活かしてリスクマネーの流れを山梨に生み出していきたいです。
福田: 素晴らしいです。地方からの資金調達事例も徐々に出てきていますし、私もエンジェル投資家として活動する中で、積極的に支援していきたいです。確かに東京から近いですし、リニアも開通するし、山梨は魅力がありますね。
新津: 若者がどんどん東京に流出してしまうのは県としての課題でもありますし、寂しいことです。山梨に魅力を感じてそこに残りたい、また東京から来てくれるといった若者を増やしていきたいです。行政も繋がりが多いので、ビジネス的な考えも織り交ぜつつ、エコシステム全体で盛り上げていきたいです。
◾️今後の展望
福田: 期待大です!最後に、改めて御社の資金調達についてはどのように考えていらっしゃるのでしょうか。
新津: もちろん資金調達したいのですが、その手法は正直現在どうしようか考えているところです。というのも、最初の目標売り上げは超えている中、商品が先出のキャッシュフローが大事な、ある程度キャッシュを抱えておく必要があるモデルですし、もっと認知を上げていく必要があります。しかし競合になるようなD2Cのスタートアップを見ると、バリバリに調達しているところが多く、そうすると自分のやりたいことができなくなってしまうのではないかという懸念をしています。どうしたらお客様にしっかり寄り添いながら、この波を逃さずにスタートがきれるか。そういったところをしっかり考えつつ資金調達していきたいです。
福田: そうですね、詳しくはまたの機会にですが、今かなり伸び盛りだと思うので、D2Cマーケに強みがあるエンジェル投資家さんなどに入ってもらい、スタートをしっかり切った上で自分たちで回していく、という方が、御社の強みを伸ばしつつ、事業も大きくできそうですよね。
新津: まさにそうですね。ここでアクセルを踏んでいけるとよいですよね。この記事を読んでいただいた投資家の皆様、とくにそういったD2Cや化粧品の製造プロセスに強みがある方に興味をもっていただけたら、そしてパートナーになっていただけたら大変うれしいです。
インタビューを終えて
初めてジェネリック化粧品の名を伺った時には、正直プチプラコスメの一つだろうと思っていた。しかし今回新津氏のお話しを伺い、いかに商品にもビジネスモデルにも、こだわりと工夫が散りばめられた新しい産業であるのか、その深さと可能性を知るほどにわくわくした。”本当に良いもの”をこだわって作ることは、日本のお家芸のはず。ジェネリック化粧品を筆頭に、新しいmade in Japan が世界中で輝く日が今から楽しみだ。
【担当ライター】Ritsuha Tanaka
ジェネリック化粧品 株式会社
事業内容:ジェネリック化粧品の開発・製造・販売。日本で唯一のジェネリック化粧品事業として、高品質かつ低価格な化粧品を提供。※ジェネリック化粧品、ジェネリックコスメは「ジェネリック」というワードを化粧品の世界に落とし込んだ日本初のコスメブランド (登録商標)。およびOEM受託も行う。
会社名:ジェネリック化粧品 株式会社
URL: https://generic-cosmetics.co.jp/
設立:2021年8月2日
資本金:9,000,000円
代表取締役:新津和也
取締役:戸田達昭
事業内容:化粧品の企画・開発・販売・EC運営・販売サポート・OEM製造
所在地:山梨県甲府市国母4丁目3-40
TEL:055-269-5830
【新津和也氏 プロフィール】
1987年12月24日生まれ。美容学校を卒業後、美容師として勤務。サロン専売品として扱う化粧品が一般市場やネット販売で流通している事に課題を感じ、サロン品質のヘアケア商品を専売品という枠にとらわれる事なく、もっと身近なものにしたいと自分でブランドを立ち上げる事を決意し、化粧品市場へ参入。化粧品市場へ参入後に品質と価格のバランスや定期販売の仕組みなどにさらなる課題を感じ、ブランドやパッケージにこだわらなければ高品質な化粧品をもっと身近なものにできるのではとジェネリック化粧品事業の立ち上げを決意。2020年にジェネリック化粧品、ジェネリックコスメの商標を取得し、2021年にジェネリック化粧品株式会社を創業。
【PROTOCOLプロフィールページ】
https://protocol.ooo/users/4a7fa604-0c4d-4138-b998-eecb4fe0dbee
【参考】既存記事や各種SNSへのリンク集
#15 「低価格高品質を多くの人へ」|ジェネリック化粧品株式会社 新津さん
新興コスメブランド「ジェネリック化粧品」の創業ストーリー。「品質と価格のバランス構造を変えたい」
デパコス級コスメをプチプラ価格で!ジェネリック化粧品の化粧水+乳液+美容液セット|マクアケ
『日本初のジェネリック化粧品 』<GC フェイシャル エッセンス>が山梨県南アルプス市のふるさと納税の返礼品に採用されました。
起業支援家/エンジェル投資家 福田和博氏 プロフィール
東北大学工学部機械知能工学科→大学院情報科学研究科を修了。
㈱東芝 研究開発センターでICT分野の研究開発に従事後、ソニー㈱でオーディオ商品の企画・戦略・事業開発を担当。
2015年に横浜で起業し、複数の新規事業の立上げとM&A Exitを経験後、起業支援家/エンジェル投資家としてハンズオン型で支援中。
(一社)日本ワーケーション協会 公認ワーケーションコンシェルジュ
iU(情報経営イノベーション専門職大学)客員教授
NEXs Tokyo(東京都スタートアップ支援施設)投資家メンター
【PROTOCOLプロフィールページ】
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