Published 08 Jan 2025

【大橋弘伸】学びの機会を逃させない。スポーツ学習の未来を創る起業家

【大橋弘伸】学びの機会を逃させない。スポーツ学習の未来を創る起業家

株式会社ハシタス(以下、ハシタス)は、「誰もが成長できる機会を」という理念のもと、スポーツを学ぶ環境に革新をもたらそうとしています。スポーツ版Udemyとも言えるプラットフォーム—「ハシスポ」を通じて、スポーツ指導者や選手、愛好者がどのように新たな学びと成長を実現できるのか。今回、ハシタスの代表取締役である大橋弘伸氏にお話を伺いました。インタビュアーは、エンジェル投資家の福田和博氏が務める。

スポーツの学びを再定義するプラットフォーム

福田:まずは、御社が展開する「ハシスポ」について概要を教えてください。

大橋:ハシスポはスポーツ学を学べるプラットフォームで、「スポーツ版のUdemy」のようなサービスです。このプラットフォームには3つの特徴があります。

1つ目は「体系的に学べる場の提供」です。自身の経験に基づいて自己流でトレーニングや食事管理をしている選手や、自分が選手だった頃の経験や知識で教えている指導者が少なくありません。そこで、ハシスポでは科学的根拠に基づいた最新の情報を、さまざまな分野で体系的に学ぶことができます。


2つ目は「オンラインの利便性」です。インターネット環境さえあれば、スマートフォンやタブレット、パソコンでいつでもどこでも学ぶことができます。
3つ目は「ユーザーがコンテンツ提供者になれる仕組み」です。ユーザーは、自分の知識を出品者側として提供することができます。

私たちのミッションは「誰もが成長できる機会を」。ハシスポを通じて、年齢や環境、プロでもアマチュアでも、趣味レベルの方でも関係なく、幅広い人がスポーツにおける新しい学びと成長を得られる場を作りたいと思っています。

福田:なぜそのような場を作りたいと考えたのですか?

大橋:私は、スポーツを学ぶ環境において大きく2つの課題があると考えています。

1つ目は「指導者側の課題」です。例えば学校の部活動では、サッカー部の顧問がサッカー経験者ではないというケースがあります。一方で、経験者であっても、自分の経験以上の専門的な知識をもって指導をする機会も少ないと思うんです。

2つ目は「選手側の課題」です。スポーツはペーパーテストのように点数で成長を測れないので、「なんとなく上手くなった気がする」という感覚的なものしか得られず、具体的に何がどう改善されたのかが分からないまま終わってしまいがちです。


インプットとアウトプットの循環でさらなる成長を

福田:ハシスポのビジネスモデルについて詳しく教えていただけますか?

大橋:ビジネスモデルはUdemyと似ていて、教えることができる人がハシスポに対してコンテンツを提供いただき、選手や指導者がそのコンテンツを購入します。購入金額からプラットフォーム手数料を引いた分を提供者に還元する形です。

また、まずはチームではなく個人向けから始めようと考えています。というのも、チーム単位で導入するのは難しいからです。例えば、サッカー部で20人、30人の選手がいる中で、意識の差がどうしても出てしまう。お金を払ってでもこの部分を学びたいと思う選手もいれば、そうでない選手もいたり、自分が教えれば良いという監督もいたりします。なので、まずは個人が購入して学び、その選手が「このコンテンツで上手くなった」と実感してもらう。それがチーム内に広がって、「じゃあチームプランを導入しよう」という流れを作りたいと考えています。

福田:他の学習プラットフォームとの差別化はどのように図っていますか?

大橋:最大の差別化ポイントは「スポーツに特化している」ことです。Udemyにもスポーツカテゴリーはありますが、ほとんど認知されていません。一方でハシスポはスポーツに特化しているため、コンテンツに深みを持たせることが可能です。

また、「インプット」と「アウトプット」を循環させる仕組みも重要なポイントです。学んだ内容を実際の練習や試合で実践(アウトプット)し、うまくいった点や課題を振り返り、次に活かす。逆に、うまくいかなかったり、不足していることがあったりしたら、インプットの方に戻って新しく学習していく。そうしてインプットとアウトプットを今行き来できることで、指導者は持続的に学びの機会を創出し、選手は「なんとなく」で終わらせずに確かな成長を実感し、不足しているものを補いながらどんどん成長することができるようなプラットフォームとなっています。

伸び盛りの世代の可能性をつぶさないために

福田:御社はこれまで、プロダクト開発支援事業や、「ペットのバトン」「メタ練」といった自社サービスを提供されてきていますが、今回このような新しいプロダクトを作ろうと考えたのはなぜだったのでしょうか?


大橋:このプロダクトを作ろうと考えた背景には、私の原体験があります。私は学生の頃にサッカーをしていたのですが、監督は経験者ではなく、当時インターネットも普及していませんでした。そのため、成長するためにもっと良い方法がほかにあったんじゃないかと思っていたんですね。それはほかのスポーツやチームも同じで、チームメイトや監督、持っている情報、同じ地区に強豪校がいるかといった環境によって、選手の伸びが変わるのではないかと考えました。


そこで、自分が伸ばしたい部分や弱い部分をピンポイントで体系的に学ぶことができるような環境があったら、成長する機会を逃している人を伸ばすことができるようになるのではないかと考え、このハシスポを作ることにしました。


福田:資金調達をしたいと考えているのはなぜですか?


大橋:そもそも、スポーツはまだITリテラシーが高くない業界だと思っています。リテラシーが低いと、よほどのことがない限り何かツールを導入することはないと思いますし、導入しても移行のハードルが高い。ということは、一度入れてしまえば乗り換えない。だから、シェアの奪い合いだと思っているんですね。


その中でシェアを取りに行くには、オンラインのサポートだけではなく、実際に現地に行って使い方を指導したり現場の課題を聞いたりして伴走することが必要です。そのためには今よりもメンバーが必要になるので、資金調達をして人員を増やし、シェアを一気に取りに行きたいと考えています。


福田:どんな投資家さんと出会いたいと考えていますか?


大橋:スポーツ経験者や、上のレベルを目指していたけれど何かしらの理由で挫折したことがある方、学ぶ機会がないために伸び盛りの若い世代の可能性をつぶしたくないという思いに共感してくれる方が理想だと思っています。

福田:最後に、この記事を読む方々に伝えたいメッセージがあれば教えてください。

大橋:スポーツを楽しむすべての人にハシスポを届けたいと思っています。プロを目指している若年層はメインターゲットではありますが、例えば仕事をしながら趣味でスポーツを続けている方や、プロを目指していない方でも「もっとうまくなりたい」「もっと楽しみたい」という気持ちはあるはずです。「プロじゃないから成長しなくていい」「負けてもいい」とは思わないじゃないですか。年齢やレベルに関係なく、誰もが成長できる機会を提供したいと思っています。

スポーツは人生を豊かにするものだと思うんです。私自身、スポーツを通じて成長や人との繋がりを得てきました。だから、昔やっていたけど離れてしまった人や、今から何か新しいことを始めたい人に対して、スポーツを始めるきっかけも提供できたらと考えています。


インタビューを終えて

今回の原稿作成では、ハシスポの事業や理念を正確に伝えるだけでなく、その魅力や可能性を引き出せるように意識しました。特に、スポーツ教育の現状や課題を読者がイメージしやすいように具体例を交えて記述する部分には力を入れました。文章構成については、「課題→解決策→未来の展望」という流れで自然と読み進められるよう工夫しました。インタビューを通じて、大橋さんの強い想いとスポーツ教育への新しいアプローチを感じることができ、私自身もその理念に共感しました。ハシスポが描く未来に向けて、この記事が少しでも多くの人にその魅力を届ける一助となることを願っています。


【担当ライター】安藤 ショウカ

株式会社ハシタス 事業概要

スポーツに特化した学びの場を提供する「ハシスポ」は、選手や指導者を対象に、最新のスポーツ学習コンテンツをオンラインで提供しています。スマートフォンやタブレットを活用し、いつでもどこでも学べる利便性を実現。また、利用者が自身のスキルを講座として提供できる仕組みも導入し、スポーツコミュニティ全体の成長を支援します。




【株式会社ハシタス事業概要】

会社名:株式会社ハシタス

URL:https://hashitas.com/

設立:2022年1月20日

代表取締役社長:大橋 弘伸

本社:神奈川県厚木市(詳細住所非公開)

事業内容:自社プロダクト・サービス開発 プロダクト開発支援 受託開発


事業内容:

・スモール開発/PoC支援サービス

新規事業のアイデアや新機能についてサクッと相談ができ、サクッと開発をして、サクッと事業検証を行えるPoC支援サービス

https://sakutto.tech/


・0>1支援サービス

事業が立ち上がり、アレもコレもやっていかなきゃいけないカオスな状況でビジネスサイドと開発サイドをいい感じに繋いで前へ進めていくプロジェクトマネジメントサービス


・もしもに備えるペットのためのサービス「ペットのバトン」

不慮の事故や災害など飼い主にもしもの事が起きた際に、引き取り先が見つからずペットが不幸な道を辿ってしまう問題を解決するために、飼育譲渡を生前合意できるサービス

https://petnobaton.jp/


・VRスポーツトレーニングアプリ「メタ練」

状況判断能力、戦術理解力を高めることができる「メタ認知xAIxVR」を使った新しいスポーツトレーニングアプリ

https://hashitas.com/project/metaren/



大橋 弘伸氏 プロフィール


大橋 弘伸(おおはし ひろのぶ)

株式会社ハシタス 代表取締役社長

フリーランスPMとして9年間主にスタートアップ、ベンチャー企業におけるプロダクト開発支援に従事。ユーザーの課題を言語化し、解決に向かうための推進を得意とする。クライアントワークも楽しいけれど「自分のプロダクト・サービスだけで食べていけるようにしたい」とふと思い立ち、2022年1月に株式会社ハシタスを創業。


【参考】既存記事などへのリンク集

ハシタスHP

https://hashitas.com/


株式会社ハシタス PR times

https://prtimes.jp/main/html/searchrlp/company_id/104206


大橋弘伸さん note

https://note.com/hashitas/all


ペットのバトン

https://petnobaton.jp/


インタビュアー 起業支援家/エンジェル投資家 福田和博氏 プロフィール


東北大学工学部機械知能工学科→大学院情報科学研究科を修了。

㈱東芝 研究開発センターでICT分野の研究開発に従事後、ソニー㈱でオーディオ商品の企画・戦略・事業開発を担当。

2015年に横浜で起業し、複数の新規事業の立上げとM&A Exitを経験後、起業支援家/エンジェル投資家としてハンズオン型で支援中。

(一社)日本ワーケーション協会 公認ワーケーションコンシェルジュ 

iU(情報経営イノベーション専門職大学)客員教授

NEXs Tokyo(東京都スタートアップ支援施設)投資家メンター


【PROTOCOLプロフィールページ】

https://protocol.ooo/ja/users/55c8607d-f7a1-46ea-94e5-593785e8db41