Published 18 Oct 2022

画像生成AIを開発する「Stability AI」が、1億ドルの資金調達を実施

画像生成AIを開発する「Stability AI」が、1億ドルの資金調達を実施

2022年10月18日、画像生成AI「Stable Diffusion」を開発するStability AIが1億100万ドルの資金調達を実施したことを発表した。

この資金調達ラウンドは、アメリカのハイブリッドファンドのCoatueとLightspeed Venture Partnersが主導し、O'Shaughnessy Ventures LLCが参加した。Bloombergによると、ポストマネーバリュエーションは10億ドルと報じられている。

今回調達した資金により今後Stability AIは、消費者および企業向けに画像、言語、音声、動画、3DなどのオープンAIモデルの開発をグローバルに加速させていくとし、具体的には、Stable Diffutionのプライベートカスタムバージョンの展開と、コンピューティングパワーの増強、従業員の採用に資金を投じていく予定とのことである。

Stability AIの創設者兼CEOであるEmad Mostaque氏は、プレスリリースにて以下のように述べている。

「AIが人類最大の課題を解決することは約束されています。しかし、この可能性を実現できるのは、技術がオープンで誰もがアクセスできる場合のみです。Stability AIは、開発者コミュニティに力を取り戻し、画期的な新しいアプリケーションへの扉を開きます。この領域で、これらのコミュニティを支援する独立した事業体(である我々)は、真の価値と変化を生み出すことができます」

また、CoatueのジェネラルパートナーであるSri Viswanath氏は、プレスリリースにて以下のように述べている。

「Coatueでは、オープンソースのAI技術には、人間の創造性を引き出し、より広い価値を実現する力があると信じています。Stability AIは、AIの目先のアプリケーションを超えたところに夢がある大きなアイデアです。私たちは、Stability AIの旅の一部となることに興奮しており、Stability AIの技術で世界が何を創造するのかを楽しみにしています」

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mimicというAIイラストサービスやNovelAIの同様のAIによる画像生成サービスであるNovel AI Diffusionが学習対象となっているコンテンツに関して日本で物議を醸したのと同じように、Stable Diffutionも著名人のディープフェイクや公序良俗に反するコンテンツの生成が可能という観点で批判を受けている。

その一方で、Stability AIが提供するStable Diffutionの有料ブラウザ版である「DreamStudio」には150万人ものユーザーがおり、オープンソースのStable Diffutionは、20万回以上ダウンロードされ、全チャネルを通して150万以上のユーザーがいるとのことである。

批判や倫理的な議論はあれど、今後Stability AIがこの領域をリードしていくのは間違いないだろう。