2022年10月26日、世界的なチャットアプリWhatsAppのビジネスAPIを利用したローコードCRMツールを提供するWATIがシリーズBラウンドで2300万ドルの資金調達を実施したことを発表した。
このラウンドをリードしたのは、ハイブリッドファンドのTiger Globalで、既存株主からはSequoia Capital Indiaが、新規投資家としてはDST Global PartnersやShopifyが参加した。Shopifyが東南アジア地域のスタートアップへ投資するのは初めてだ。WATIの前回の資金調達ラウンドは10カ月前に発表された830万ドルのシリーズAラウンドで、今回のラウンドにより2020年以降の累計調達額は3500万ドル以上となった。
WhatsAppは世界中で20億人以上に利用されており、多くの中小企業にとって重要なツールとなっている。しかし、規模が拡大するにつれ、WhatsApp for Businessではニーズに対応しきれなくなる可能性が高い。この課題を解決するのがWATI(WhatsApp Team Inbox)である。
WATIのカスタマーエンゲージメントソフトウェアはWhatsApp for BusinessのAPIをベースに構築されており、顧客はパーソナライズされた通知を送信することができるだけでなく、チームコラボレーション用のメッセージインボックスや、スマートルーティング、定型文返信、データのタグ付け、分析などの機能を利用することができる。ローコードによるワークフローやチャットボットによるインタラクションの自動化、EコマースプラットフォームやCRMへの接続も可能だ。
現在、WATIはハウスクリーニング、学校、教育センター、エドテック、フィンテック、医療施設、D2Cブランド、ShopifyストアなどのSMBを含む75カ国で6,000以上の顧客を抱えている。
今回の資金調達により、チームの拡大や、ローコードオートメーションのためのプロダクトスタックへの投資、デジタルツールのより広い普及を行うとのことである。また、ラテンアメリカや東南アジアなどの新興市場において、積極的な市場参入計画を開始する予定である。