UMAMI COLA株式会社は、“世界で一番体に良い”クラフトコーラを作る企業だ。「気軽に、美味しく、健康に」をコンセプトに、人工甘味料や添加物を使用せず、健康に良い原料にこだわって作っている。2023年に自社工場が完成し、販路もますます拡大する中、どのような展望を抱いているのか。また、UMAMI COLAができた背景やこだわりとは。今回は、UMAMI COLAの軌跡とこれからについて、代表取締役社長の山田貴久氏に伺った。インタビュアーは、エンジェル投資家の福田和博氏が務める。
令和版コーラ。健康医療を現代で体現
福田:はじめに、御社の事業の概要を教えてください。
山田:当社は、ナチュラルな素材にこだわったクラフトコーラ「UMAMI COLA」を製造販売しています。
2020年の設立からクラフトコーラのシロップの販売を始め、2023年には缶コーラでの販売が実現しました。現在、ナチュラルローソンやセブン-イレブン、ヴィレッジヴァンガードなど国内の約1,500店舗で販売しています。また、海外ではシンガポールの5店舗でも販売しており、国内外において急成長しているナチュラル市場をターゲットに、特に健康志向の高い消費者からの支持を得てきています。
福田:クラフトコーラといっても色々ある中で、「UMAMI COLA」にはどのような特徴があるのでしょうか?
山田:もともとコーラって薬剤師さんが作ったものなんですよ。医者が足りず、普段から健康でいられるようにという予防医学の観点から、万病に効くとされていたコカの葉とカフェインを原料に作られました。
しかし、現代ではそれらが万病に効くわけではないと分かり、嗜好品となっています。そんな中、「もし現代でコーラのような飲み物を作るなら」という発想のもと、健康に良いコーラとしてできたのがUMAMI COLAです。
添加物を使わず、甘酒やシークヮーサー、ホーリーバジル、エルダーフラワーなど身体によい原料を使用して、「普段から健康でいられるように」という元々のコーラの理念を現代に体現した飲み物となっています。
福田:まさに、令和版コーラですね。
最初はピンク色の缶に抵抗があった。開発秘話
福田:原料にこだわっているのに対して、比較的リーズナブルに提供されていますが、どのように価格をコントロールしているのでしょうか?
山田:缶コーラを200円台で提供できるよう、最初から最後まで一貫して当社で製造しています。自然派のものは量産体制がないので値段が高いんですよね。それでも自然の原料にこだわるのには理由があります。
清涼飲料水って、原料があまり気にされないんですよ。例えば、生姜が入っていないジンジャーエールや、果汁0%のオレンジジュースが平気で売っていますよね。でも、例えばビーフバーガーなのに牛肉0%だとどうでしょうか。きっと、「それはおかしい」と騒ぐ人が沢山いると思います。
食品だと原料をすごく気にしていたのに、飲料となると全然気にしていないんですよ。飲料の製造に実際に取り組んでみて、飲み物はこんなにも嘘が許されるのかと初めて気がつきました。それにもかかわらず、清涼飲料水は幼い頃から飲むものでもあります。嘘なく、原料にこだわった飲み物をもっと気軽に選択できるようにしたいという思いで作っています。
オンラインインタビューの様子
福田:UMAMI COLAの缶は他にはないデザインですよね。どのような経緯でこのデザインになったのでしょうか?
山田:以前は「清涼飲料水は子どもの飲み物、アルコールは大人の飲み物」みたいな雰囲気があったのではないかと思います。そんな中でコロナ禍によって健康志向の高まりや、付き合いでお酒を飲んでいたような人たちの脱アルコールといった流れが出てきました。その流れの中で清涼飲料水を大人にも選んでもらうためには、味だけでなく見た目も良くなければいけないと思ったんです。
私は日本のスターバックス1号店の出店に携わった経験があるのですが、その当時はコーヒーってスーツを着たおじさんたちがタバコを吸いながら飲んでいるようなイメージだったんですね。でも、それが今では高校生でも気軽に入れるようになり、おしゃれなイメージもあるじゃないですか。
その背景には、おしゃれな見た目にしたことや、歩いて飲めるカップの流行などが関係しているんですね。それをきっかけに、デザインの重要さを実感したんです。
そこで、缶のデザインはパッケージ会社ではなくデザイナーさんに依頼しようと、東京オリンピックのピクトグラムのデザインチームにも所属していた方にダメ元でお願いしたところ、理念に共感して「面白いからやろう」と言ってくださったんです。
そうしてデザインの検討を始めたのですが、彼曰く、メジャーブランドの商品は赤や青などの原色を使っていることが多いらしくて。そこで、新しくナチュラルドリンクの市場を作ることから、今までにないものを象徴するような色にしようという方針になったんです。そして、UMAMI COLAの液体の色に近い、少しくすんだピンク色に決まりました。
実は、最初はピンクってちょっと抵抗があったんです。男性も飲むので、手に取りにくいんじゃないかと。でも、当時ちょうど戦隊もので初めてピンクの役が男性になったタイミングだったんですよ。それで、ジェンダーレスの意味も込めて、ピンク色にしようと決めました。
液体の色と似たピンク色のUMAMI COLA
福田:新しい飲料の生産となると、かなり大きな投資となりリスクも伴いますよね。それでもこの事業を始めようと思った経緯を教えてください。
山田:そもそも、私がUMAMI COLAの事業を始めようと思ったきっかけが、病気を経験したことだったんです。急性膵炎で、もう死ぬかもしれないような状況にまでなりました。
その際、前触れもなく急に痛みが来て即入院したのですが、思い返してみると、3日前ぐらいから身体は元気なのにアルコールが気持ち悪くて、見るだけで吐き気がするくらいだったんですよ。
実は、急性膵炎にはアルコールが影響しているそうで。アルコールを飲み過ぎていたわけではなく、恐らく体質や疲れが起因したのですが、自分自身の体の方が先に何かを感じ取ることがあるんだとその時に分かったんです。
それで改めて考えてみると、天然水をみんなが飲むようになったのってここ最近なんですね。昔、天然水が売り出された頃なんかは「水道水で十分なのに、誰がお金を出してまでこんなものを買うんだろう」と思っていました。でも、いつの間にかみんな当たり前のように飲んでいて、今や水道水がまずくて飲めない人もいるくらいですよね。
これがなぜかというと、天然のものを体が判別して、本能的に選んでいるからだと思ったんですよ。そして、これからは天然の味を知ったら、人工的に作られた味はだんだん違和感が出て選ばれなくなっていくんじゃないかと考えたんです。それならば今後ナチュラルドリンクの市場は盛り上がっていくだろうという見立てで、この事業を始めました。
Drink3時代到来。飲料業界の変革に向けて
福田:どんどん販路も広がってきている中、今後の販路の展望を教えてください。
山田:やっぱり、UMAMI COLAを知っている人は健康志向の人や美容に気をつけている人が多いので、今まではどうしても無添加のお店やナチュラルローソンなど、自然派のお店に置いてもらうことが多かったんですね。だから、一般的にはまだまだ知名度が低いんです。
そこで、もっと一般的なコンビニやスーパーで気軽に買えるようにしたいと思っています。健康を意識しているわけでもなく、気軽に飲んでいたら、実は体に良かった。そんな「気軽に、美味しく、健康に」という当社のコンセプトを実現するのが夢です。
福田:ちなみに、今後の商品展開についてはどのようにお考えですか?
山田:UMAMI COLAのラインナップを増やしていきたいと思っていますし、色々なところからもお声をいただいています。そこでまずは、3~4種類ぐらいのバリエーションの展開を目指しているところです。直近で考えているのはUMAMI COLAのジンジャエールバージョンです。
また、新しく「UMAMI COLA DAO」という組織を作りまして。UMAMI COLAだけでなく、様々なクラフトコーラを宣伝、広告する部隊を作って、のちのちはメンバー同士でトークンを交換するようなトークンコミュニティにしていきたいと思っています。
というのも、この業界は古いので、メーカーはなかなか新しいことができないんですよ。「新しくて前例がないからやらない」と。そこで、私自身の飲食やIT系での経営者としての約30年の経験を活かし、新しいものを取り入れていきたいと思っています、そして、Web3にならって「Drink3」のような感じで、飲料業界を新しく変えていきたいですね。
2024年9月現在の商品ラインナップ
福田:今後資金調達をするとしたら、どこに投資していきたいと考えていますか?
山田:設備投資ですね。実は、大手コンビニチェーンさんからも打診が来ているんです。ただ、今の設備ではそれだけ流通させられるほどの量を作れないので、待っていただいてるのが現状で。設備が良くなれば製造できる量も増えますし、もっといいものも作ることができるので、設備投資に使っていきたいですね。
福田:最後に、今後どのような事業パートナーと繋がっていきたいですか?
山田:流通系や販売系など、シナジー効果があるような方々と出会いたいです。
また、より面白く展開できそうだと思っているのは、インフルエンサー周りの会社さんです。実は今、アメリカでジョイントベンチャーとして子会社を作る動きがあって、先方のパートナー会社さんがアメリカでインフルエンサーマーケティングをされているんですね。
先日、簡易マーケティングをさせていただいたところ、他に比べて倍くらい効果が良くて。インフルエンサーとの相性が良く、一緒に取り組めたらすごく強いのではないかと思っているので、そういうパートナーと組めたら嬉しいです。
インタビューを終えて
私は清涼飲料水をほとんど飲まない。健康への意識が特別高いわけでもないが、人工甘味料の甘みがなんだか苦手で、あまり気が進まないのだ。もしかすると私も「天然」の味を求めているのかもしれない。もしそうなら、「UMAMI COLA」はきっと私の日々の飲み物を変えるだろう。そして、これから沢山の人の飲み物に対する価値観を変える存在となるのだと思う。これからどのようなラインナップが増えていくのか、楽しみに待ちたい。
【担当ライター】安藤 ショウカ
UMAMI COLA株式会社 事業概要
「UMAMI COLA」は、保存料、合成甘味料(人工甘味料)、着色料、香料不使用のクラフトコーラです。
販売開始から約1年間で多くのメディアに取り上げられ、特に2022年4月26日にTBSで放送された『マツコの知らない世界』では“クラフトコーラの世界”として弊社のUMAMI COLAが特集され、大きな反響をいただきました。
清酒「八海山」を販売する八海醸造株式会社の米麹だけで作った甘酒をベースに、スパイスやハーブ、沖縄県産のシークヮーサーなどの柑橘類から作られる天然の「生」クラフトコーラです。
米麹は、ビタミンB群や必須アミノ酸9種類など、約350種類もの成分が含まれるその栄養価の高さから「飲む点滴」「飲む美容液」といわれています。
添加物や遺伝子組み換え、果糖ブドウ糖液糖や人工甘味料は使用しない透明性の高い原材料のみで製造しています。
社名:UMAMI COLA株式会社
設立:2020年11月17日
代表者:代表取締役社長 山田貴久
事業内容:UMAMI COLAその他食品の企画・開発・販売
所在地:〒107-0062 東京都港区南青山2-2-15
工場:〒335-0034 埼玉県戸田市笹目7-11-10 UMAMI COLA La Fabrica
事業内容:
・UMAMI COLA缶の販売
・UMAMI COLAシロップの販売
・Meimetsuシロップの販売
山田貴久氏 プロフィール
1995年明治大学卒業、1996年恵比寿にベーカリーカフェを開業、当時イートインのパン屋がなくニュービジネスの複合カフェと日経新聞に取り上げられる。2005年にインターネット会社を設立しオフラインとオンライン両方のビジネスを手掛ける。2021年にUMAMI COLA株式会社を設立し今に至る
【参考】既存記事や各種SNSへのリンク集
UMAMI COLA HP
https://twitter.com/UMAMICOLA/
https://www.instagram.com/umamicola/
PR TIMES STORY「天然素材のみで作るクラフトコーラの開発。不可能に挑戦するため自社工場を新設し、異例のヒット商品となった「umami COLA」のストーリー」
https://prtimes.jp/story/detail/3b735nto2Ab
PR TIMES「ピュアクラフトコーラ×新体感エナジードリンク、Drink3時代の新しいドリンク発売」
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000020.000070553.html
note「山田貴久/47才0からの再スタート【クラフトコーラ編】」
https://note.com/umami_cola/all
Cola Fan「人々の健康を願う『UMAMI COLA』」
https://cola-fan.com/review/umami_cola
Cola Fan インタビュー「クラフトコーラ浸透前夜 ~「缶」のUMAMI COLA~」
https://cola-fan.com/interview/umamicola_can
Walkerplus「「次に来るブーム」と言われるも来ず…コーラを健康的飲料と認識を変えブームを呼び寄せた火付け役に話を聞いた」
https://www.walkerplus.com/article/1167187/
Discover Japan「《UMAMI COLA/うまみコーラ》予防医学を意識した、世界で一番体に良いクラフトコーラ」
https://discoverjapan-web.com/article/70603
Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/UMAMI_COLA
fundinno YouTube
fundinno「八海山の米麹をベースにした天然「クラフトコーラ」。新ジャンル<ナチュラルドリンク>で清涼飲料水市場に挑む『UMAMI COLA』」
https://fundinno.com/projects/383
インタビュアー 起業支援家/エンジェル投資家 福田和博氏 プロフィール
東北大学工学部機械知能工学科→大学院情報科学研究科を修了。
㈱東芝 研究開発センターでICT分野の研究開発に従事後、ソニー㈱でオーディオ商品の企画・戦略・事業開発を担当。
2015年に横浜で起業し、複数の新規事業の立上げとM&A Exitを経験後、起業支援家/エンジェル投資家としてハンズオン型で支援中。
(一社)日本ワーケーション協会 公認ワーケーションコンシェルジュ
iU(情報経営イノベーション専門職大学)客員教授
NEXs Tokyo(東京都スタートアップ支援施設)投資家メンター
【PROTOCOLプロフィールページ】
https://protocol.ooo/ja/users/55c8607d-f7a1-46ea-94e5-593785e8db41