先に書いときますが、スタートアップの方向けにプレスリリースを進める記事を見て、批判してるわけではありません。
1週間おきに、営業断ったところから連絡が来たためで、ハッキリと考えを書いとこうと思いました。
メディアに取材来てほしい。
そう考えるスタートアップは多いと思います。
そこにつなげるためのPR会社ってのも存在したりしますが、すべての企業に効果があるかってのはちょいと違うかなと思いますね。
私は会社やる前に、会社をメディアに取り上げさせようと考えて、そのための事業を作り、フジテレビの小倉さんの番組の取材を受けたことがあります。
創業してからも、朝日新聞の朝刊社会面に掲載されたり、フジテレビの夜のニュースなど、何個か乗りました。
これ別にプレスリリースをガシガシ送ったわけではありません。
狙うんだったら、どの媒体に出すか考えて、そこにどう出すのが効率的かを考えて行動するだけです。
たとえば、TVのニュース系では、年間同じようなネタが繰り返し特集されます。
それをネットで調べ、データ化します。
各局とも同じようなネタの使いまわしであることがそこでわかってきますが、年間に20本くらいやってるネタなら、新規性があれば拾われる率が上がるわけです。
ニュースの特集などでは、Aというサービスというネタをやる場合は、それに関連するA社、B社、C社などを調査・取材しますし、複数の業界にわたる場合は、各業界ごとにピックアップします。
TVに乗るなら、1位を狙うのではなく、3位までに入れればいい、こんな感覚で仕込みを行えばいいんです。
自社のサイトで、検索されるように「業界名+対象サービス」で記事を用意しとく。
プレスは打っても、打たなくてもあまり効果は変わりません。検索上上位表示されるなら打つくらいの感覚で。
取材先の調査は、バイトや下っ端がググるわけです。
シンプルなワードで検索をするわけですから、そこにひっかかるかどうか。
年間20本以上やってるネタなら、20×3=60サービス(社)に本来チャンスがあるわけですが、実際には同じ場所への取材が多い。その中の一部は取材に来るようにお金を積んでる可能性もありますが・・・。でも、まあ2番手、3番手までは拾われるわけですから、毎月取材があるようなネタがチャンスになるわけです。
私はこの手法で、前の会社ではTV取材を獲得しました。
当時は広告会社出身の社長のもとにいましたが、広告畑ではない占いの業界の人間が、TV取材を狙って獲得したことには驚かれましたが、各業界の情報を広く知ることができる占いの特性なのかもしれません。
起業後、私はメディア取材を狙い、そうした方にしか関心がないであろう記事をただいたすらブログに書きました。お客を集めるためでもなく、占い師が見たらイラっとするような内容の記事。そして、競合が慌ててしまうような業界の生の声を。
ただ、業界分析だけじゃなく、自分の考えや思いを言葉に乗せ、そこにひたすら書きます。
すると、それが朝日新聞の記者の目にとまり、6回くらい取材を受け、それが記事になりました。ちょうど自分の誕生日に。
記者の心に刺さる記事。それはプレスリリースのようなテイストではないと思います。
商品にしろ、サービスにしろ、それを作った作り手の想い。それが記事に反映されていて、それができた経緯や環境や業界の課題など、そうしたものが連動していて、こうした環境があったから、これが生まれたんだといったようにストンと心に落ちる内容。
そうなっている記事が目に留まるように感じますね。
新聞の記者だけじゃなく、弊社は各業界のTOP企業と取引が多いですが、みんなそんな感じで捕まえます。(言葉は悪いですが)
"私はこうだと思うし、こういう方法で実現したい。それに共感してくれるところと一緒に仕事したい。"
こうしたメッセージを一連の記事で発信することにより、興味を持ったところが声をかけてくれます。
ITのスタートアップが多いと思いますが、そうした方はメディア取材のハードルはそれほど高くないと思います。
うちは"占い"です。
各メディアとも占いは"考査"でNGが出るもので、それを取り上げるハードルはかなり高い。
でも、うちはやりました。ハードルを乗り越えるには想いの強さが大切だと思うし、私が強い気持ちでいると、うちに連絡した人も次第にその想いに感化されて、頑張ってくれるように感じます。
プレスにせよ、ブログ記事にせよ、HPにせよ、検索される状態で、それがきちんとよい順位で表示されるかがカギになります。googleでは、プレスなどは通常検索とは別扱い(ニュース)で表示されたりもするので、それは一部ではメリットですが、関連記事が更新されるとあっという間に埋もれます。検索自体ではプレスはそんなに強くない。
ブログやHPに関しては、自社のHPのパワーにより判断すればよく、力があるならHP、ないなら他社ブログ。
そして、規定文字数書いとけば、そこそこの順位は取れるわけです。
現在、占い業界で新規参入する企業は、みんな私のブログで情報を仕入れて参入する企業が非常に多いです。ゲームアプリ企業から入ってきた組に関してはその確率90%以上で、私の情報でコントロールされているといっても過言ではありません。そうした参入組でも、サービスがこれまでずっと続いているのは、弊社にコンタクトをとってきたところで、そうでないところはサービス自体がなくなり始めています。
業界分析記事では、いいことも悪いことも書きますが、悪いことに関してはさすがにこれ書いたらまずいなと思うところは書きません。つまり、リスクの一部を触れていない状態で、いいところだけ見て参入してきた人が負けている。コンタクトとってきたところには、きちんと課題やリスクを告げたうえで、判断してもらっています。書けないのは、私自身に明確な解決策が見つからないもので、対処法があればそれらは私によってはリスクではないのでテキスト化しています。
ネットの記事をもとにそれを検証せずに物事を進めようとする人は、かなり危ないというか、失敗するべくして失敗することになると感じますし、それだけで勝負するスタートアップの方はおそらく経営者には向かないというか、たぶんカモにされますね。