Published 30 Sep 2022

バリアフリーeスポーツの広報を通して学んだ「弱者(スタートアップ)のためのPR」

バリアフリーeスポーツの広報を通して学んだ「弱者(スタートアップ)のためのPR」

こんにちは。株式会社パンダビジョンの佐野と申します。

今回は、当社が業務提携し、社外スタッフとして佐野も参加している「ePARA」について記事にしました。

バリアフリーeスポーツ「ePARA」

私は、2019年に創立されたバリアフリーeスポーツ「ePARA」で広報周りやSNS運用、企業様への広報(営業)などを担当しています。

バリアフリーeスポーツePARA

「ePARA」はもともと裁判所で働いていた加藤さんが、障がい者雇用の現実と向き合うために、eスポーツに着目して設立した、独立系のeスポーツイベント/団体の名称です。まず第一に、障害者雇用の促進を目的としている点が特徴です。
同じく運営に携わっている共通の知人を通じて関わらせていただきました。当初は出演者のキャスティングの手伝いだけだったのが、気がつくと多方面に携わっています。


「ePARA」をもっと知ってもらいたい

2019年の11月後半に「ePARA」の第1回大会に参加しての感想は、社会的に意義のあることだと確信すると同時に、障がい者も健常者も和気あいあいとしていて、純粋にゲームイベントとして楽しかったです。

ただ、スタッフのみんながイベントを成立させるために半ば手弁当でやっているのに、世間の認知度はとても低かったです。HPやSNSもGoogle検索でなかなか見つからず、「ePARA」を紹介しているメディアの記事が見つからないのはとても勿体無いなと思いました。

私は、前職の吉本興業で広報プロモーションの部署に配属され、約3年間、見よう見まねでなんとか業務をこなしていました。

せっかくのイベントを世間に広く知ってもらうために、何かできるのでは。頑張ってアプローチすれば必ずメディアにも取材してもらえるし、広く世の中に知ってもらえるであろうと思いました。


大手マスコミに狙いを絞ったわけ

2020年は本来は東京オリンピック・パラリンピックの年。「ePARA」も前年の経験と反省をもとに、より積極的に活動する予定でした。

しかし、皆様も知っての通り、新型コロナウイルスの影響もあり、人が集まるオフラインのイベントは行うことができなくなりました。

それでも、障がい者雇用がなくなるわけではありません。障がいを持つゲームプレイヤーがいなくなるわけもありません。日々協議を重ねた結果、参加者にもスタッフ、出演者にもリスクのない方法として、オンライン大会の開催を今後予定しています。

「ePARA」の目的は、ただゲーム大会で盛り上がって終わりではありません。障がいを持ちながら活き活きと働ける場所を見つけるきっかけを与えること。

そのためには、受け入れ先となる企業の方にも、もっと知ってもらいたいです。また、我々「ePARA」を企業の担当者に信頼してもらう必要があります。

そして継続的にイベントを開催するためには、「ePARA」をスポンサードしていただく企業様の存在も必要になります。

諸々ひっくるめて、信頼性のある歴史のあるマスメディアに取材してもらうのが早道だと考えました。


「弱者のためのPR戦術」

しかし、大手新聞社やテレビ局といった大手マスコミに無名の団体を取材してもらうことは、とてもハードルが高いです。リリース配信サービスでは日々本当にたくさんのプレスリリースがメディアに届けられます。しかし、記者さんの手元にはなかなか届きません。たくさんの情報の中に埋もれてしまいます。

私がとったメディアへのアプローチ方法は「郵送」です。とてもアナログです。手間も費用もかかります。それでもこれが有効だと思ったのは、他のPR担当があまりやらないだろうと思ったからです。つまり目立つのではないかと思ったのです。

郵送したのは

①「ePARA」の概要資料(パワーポイント8枚分)
②「取材依頼書」(宛名は手書き)

パワーポイントの概要資料も文字量は控えめにして、情報を盛り込み過ぎないように、分かりやすいように心がけました。記者さんは忙しいです。パラパラ見て、用件がわかるようにしました。

送付先は以下のように考えました。

新聞・通信社は、①社会部 ②運動部 ③eスポーツ事業担当
テレビは、①報道番組 ②eスポーツ番組 ③eスポーツ事業担当

大手マスコミだと社員は軽く1000人は超えてきます。1通送っても担当者にたどり着かない可能性もあります。それを考えて、実際はHPの会社概要から組織図を見つけて、ここだろうという担当部署を細かく指定しました。テレビだと関係ありそうな番組担当者全てに送りました。
合計で50通以上になりました。取材依頼書も一人一人少しずつ文面も変えたので、封筒入れや郵便局への持ち込みも含めると、土日合わせて10時間ぐらいかかったと思います。


50通郵送した取材案内の結果

では、結果はというと…

産経新聞さん、朝日新聞さんなど計3媒体が決まりました。

本当はテレビ局も含めてもっと取材を取れると思いましたが、テレビ局や新聞社もリモートワークが増えていたりなどといった状況から考えると、十分な結果だったのではないかと思っています。
産経新聞(Web)にて、ePARA 代表の加藤のインタビューを掲載いただきました!

「ePARA」は、まだまだ小さなスタートアップ企業です。

そんな「弱者のためのPR」という意味では、人がやらない手間のかかる作業をあえて選んだり、担当記者さんのもとに届くよう思いを込めて宛名を書いたりしたのが良かったのかなと思っています。


PRには、王道のやり方はありません。トライアンドエラーを繰り返す泥臭い仕事です。だからこそやりがいのある仕事なんです。


もし、これを読んだ方で少しでもヒントになることがあると嬉しいです。

スタートアップにとっても広報はとても大事なことです。


■株式会社パンダビジョン
代表取締役:佐野篤
代表プロフィール:早稲田大学政治経済学部卒業。 新卒で出版社に入社し、漫画編集を経験。その後、医学誌やマネー誌の編集ライティングを経験後、2007年に吉本興業株式会社に中途入社。出版事業、広報・PR部門、テレビ番組のプロデューサー、デジタルコンテンツ部門等を経験し、独立。2019年に株式会社パンダビジョンを起業。

事業概要:コンテンツ制作、クリエイティブ企画、キャスティング 他
住所:東京都渋谷区代々木2-26-5バロール代々木413
HP:https://panda-vision.co.jp/

Jobs at 株式会社パンダビジョン

No job openings are published yet.