福島大喜

株式会社UBeing

Unknown

なぜ福島が会社を作ったのか、起業の原体験と経緯を記させていただきます。なんか変なことやっているなぁと少しでも面白がっていただけたら嬉しいです。起業内容としては、皮膚からの電気刺激で味覚調整を行い、減塩食等が美味しくなるようなデバイスを作る企業(株UBeing)です。
さて、起業のきっかけは、
『若年で脳梗塞を発症した高血圧患者さんを担当したこと』、
『減塩食がおいしくないという声と、出会い』、
『研究と社会実装の壁』、
『挑戦した後悔の方がよい』
（日時や場所等、個人特定されないように変えてあります）
でした。
『若年で脳梗塞を発症した高血圧患者さんを担当したこと』
医師3年目の出来事でした。金曜日のお昼過ぎ、私は脳神経内科研修が始まったばかりの当番医でした。救急外来から新規脳梗塞の電話があり、診察へ向かいました。患者さんはNIHSS 2点程度でした（軽い麻痺程度です）。いつものように診察をして、入院の手続きを行いましたが気になるになることがありました。それは、入院時から拡張期血圧（下の血圧）が非常に高い状態であったことです。通常、脳梗塞発症時は、体が生理的に血圧を上げて脳への血流量を維持しようとするため、どのような方でも血圧は高くなります。しかしながら、この患者さんは未治療高血圧症があり、許容範囲を上回る拡張期血圧の数値でした。判断に迷いましたが、入院日夕方から内服での降圧を開始することで対応する方針となりました。全国どの病院でもあるような脳梗塞パスを使用し、指示簿や点滴をオーダーし、他の業務へ戻っていきました。
しかしそれも束の間、夕方の4時頃。「麻痺が悪化しています」と病棟から電話がありました。診察してみると、NIHSS15点程度へ悪化していました。結果は脳出血でした。降圧剤を点滴投与にすればよかった、もっと早く対応できなかったのか。非常に悔しい思いを今でもしています。「悪化する前に、何かできることはなかったのか？そもそもベースの血圧が低ければ」と悔しい気持ちになりました。
この出来事から、元々興味があった広い意味での予防医学、減塩手法などに興味を持つようになりました。
『減塩食がおいしくないという声と、青山さんとの出会い』
上記の出来事があってから、高血圧で治療中の患者さんに「いま最もこまっていることは何ですか？」と聞いて回るようになりました。すると、ほぼ全ての患者さんが「減塩食が美味しくないから、続かない」というのです。不満は味以外もあるのですが、「美味しくない」はほぼ全ての人が、伝えてくださっていたことでした。
以上のヒアリングから、多くの減塩商品が開発され、それでも課題解決に至っていない現代では食事の工夫以外で減塩食をおいしくする方法が必要なのではという考えに至りました。（本来的には、根源的ニーズなのか、解決可能なニーズなのかニーズの選定が必要ですが、その時はそこまで考えは及ばずでした。）
それ以来、仕事の空き時間を見つけては「減塩食を美味しく変える方法」をインターネット上で探す日々でした。そんなある日、趣味関係で調べ物をしているときに、電気刺激で味覚調整が可能だとする研究を知りました。驚きました。しかし、その技術は2010年ごろから研究されていたのに、社会にまだ商品がありません。「どのような研究で、現在どこまでが実現可能で、なぜ商品化してないのか」疑問が多く出てきました。どうしようかと悩むこと3ヶ月。思い切って、全く面識はない状態で、研究者の皆さん数名にメールやSNSでメッセージを送りました。待てど暮らせど連絡は来ません。しかし、連絡して1ヶ月後、連絡がありました。その人が現在、一緒に取り組んでいる青山さんでした。
『研究と社会実装の壁』
魔の川・死の谷・ダーウィンの海。皆さんもご存知のように、技術の社会実装にはこれら三つの壁があると言われています。
私は臨床診療を行うこと、よい研究をすることが素晴らしいと思っていました。そして、今でもそのように思っています。しかし、臨床は過去の研究成果の社会実装の賜物です。また、研究は、研究のことだけを考えていると社会実装の足枷になる場合もあります。
研修医の頃、日本神経学会が主催する産官学連携セミナーを受講し、研究だけでは実際に社会に役立つようなもの（その時は特に医薬品、医療機器）を生み出すことはできないことを知りました。臨床医療だけでは未来の患者さんや別の地域の患者さんを救えないことを知りました。その後は研究を社会実装する方法として、医療医学以外の知識も大切と感じたため、少しずつビジネスのことを学ようになっていきました。
『挑戦した後悔の方がよい』
取り組みが進み、起業が選択肢となってから、半年くらいは悩みました。失敗したら恥ずかしいな、お金大丈夫かな、医者として大丈夫だろうか、そもそも成功するのか、時間的余裕あるだろうか、などなどです。多くの方に相談し、『絶対やめた方がいいよ、せっかくだからやってみたら、ハードウェアは難しいよ』等々、賛成反対多種多様な意見を頂きました。
最終的に可能性のある技術があるのに挑戦しないよりも挑戦して失敗した方がいいと考えたこと、愛知県が起業支援を積極的にやってくださっていたこと、家族や大学など周囲の賛同を得られたことから、2022年3月に会社設立を決めました。
ここまで、起業するまでの道のりを端折って書いてきました。起業後も、特許の準備や申請をしたり、決算処理をしたり、仲間集めをして頓挫したり、モチベーション下がったり、共同研究契約や倫理申請をしたり、未知の体験を繰り返していますが、周囲の助けもあり何とか生き残っています。起業後のことも少しずつ記載できたらと思います。
図々しくも折角の機会ですので、皆様へお願いしたいことを記載させていただきます。
Facebook messenger、メール等で連絡、応援等頂けましたら喜びます！
① 事業開発経験者で興味ある方、共同研究してくださる方、法務経理等、一緒に0→1をやってくださる方、
是非連絡いただけますと幸いです。興味ありそうな知り合いいるよーって方も是非お願いします！
（お金は、、これから準備できたらと思ってますが、まだ難しそう笑）
② 年末-来年あたりにクラファンを予定しており、是非応援とご協力お願いします！
もし、一緒にクラファンやってくださる人いたらこちらも是非お願いします！
③ ビジョンに共感いただき、スポンサーになってくださる方、
法人様いましたら是非お願いします！予防、神経関係の講演、勉強会やらせて頂きます！
④ 共同研究してくださる方　いましたら是非お願いします！